私たちの恋模様
私と崇之は友達の延長線上みたいなものだから、ああいう甘酸っぱいような雰囲気はない。

それがちょっと羨ましいなって…。

キャラじゃないってわかるけどね。

「ま、無理だな。第一理紗は持田さんみたいに恥じらうタイプじゃないし、俺だって大翔みたいに体当たりで愛情表現できる男じゃないから。」

愛情表現なんて言葉が、崇之の口から出てくるなんて思いも寄らなかったからそれだけでドキドキしてしまう。

「顔、赤くね?」

「あ、赤くないよ!」

慌てて否定する私を見て、崇之は笑った。

不覚にも、キュンとした。

「ちょっと耳貸してみ?」

「え?」

崇之は私に方に身を乗り出してくる。


 愛 し て る


「ぇ、ぇええ?!!」

「おまっ、馬鹿!」


慌てて私の口を押さえる崇之の耳は、可笑しいくらい真っ赤だった。





2012.1.15
―――理紗side fin.―――


< 28 / 32 >

この作品をシェア

pagetop