春、恋。夢桜。
丁度良いタイミングで片手を俺の後頭部に回した麗華は

そのまま互いの顔を近づけさせてキスをした。


いきなりのことに驚いて、何も考えられない。

対照的に、麗華はとても落ち着いてるように見える。


「わしも、響を好いておる」


顔を離した麗華は、可愛らしく、それでいて綺麗に微笑んだ。


「わしも……って。お前、さっき俺が言ったこと、わかってたのか?」


勘違いされて、流されてたと思ってた……


でも俺の告白は、どうやら麗華に届いてたらしい。



そう思うと、何だか無性に恥ずかしくなってきた。


「かなり間抜けな告白じゃったがな!……響、お主、少し顔が赤くなっておる気がするんじゃが」

「悪かったな!仕方がないだろうが……」


笑いをこらえる麗華に、気まずさを感じずにはいられない。


「あぁ。なかなか響らしくて面白かったと思うぞ!」


にやりと笑いながらそう言う麗華を見て、俺はただ、溜息を吐いた。



好きな男からの告白を、『面白かった』って言う女がどこにいるんだよ……――――



「響!!」

「何だ?」
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