春、恋。夢桜。
「俺の気持ちって何だよ?聞かせてくれるよな?潤」

「い、いや、それはだな……。だ、大体!お前が変なこと言うからいけないんだろ!告白がどうとかってよ!」


両手を振りまわすような不思議な動作をしながら、潤が必死で言い訳をする。


ここまでくると、ちょっと天才だ。


「だから、お前に告白をしようと思ってここに呼んだんだろうが。自分に非があったから申し訳なかったって告白をな!」

「へ?」

「まさか、俺に『好きだ』とでも言われると思ってたのか?」

「い、いや!別に……」


必死でごまかす潤は、やっぱり面白い。



頼りがいがあるような、ないような……

こいつのそんな不思議なところに、少し親近感を覚えた。



まぁ、こんな風になりたくはないが……


「梨恋にもちゃんと謝っておいたよ。そしたら、泣いて喜んでた。笑いながら泣いてたよ」

「それなら良かったよ。てか、何で一気にここまで復活してるんだよ。もしかして、俺の説教はそんなにも効果的だったわけ?」



自分がからかわれる順が終わったからか

俺を焦らせようとするような、潤のわかりやすい笑みが目に入った。
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