俺のシンデレラになってくれ!

あたしだって目の前にスカートの中が見えそうな人がいたら、気になって見ちゃいそうだし。


きっと見るし。


それでも、こんな風に納得しそうになった自分の思考回路を呪いたい。



「本当!不可抗力ってか、自然現象ってか、……。とにかく、悪気があったわけじゃないからっ!」



言い訳を続ける篤に思わず右手を振り上げると、慌てて左手を伸ばした篤が、あたしの手首を抑えた。



「おわっ!?」


「えっ? ちょ、ちょっとバカじゃないの!?」



あたしがあんまり力を入れてなかったせいなのか、篤がDVDをかばったからなのかはわからない。


だけど、お互いに不安定だったあたし達は、そのまま勢いよく床に倒れ込んだ。


どうにもならなくて背中を床にくっつけたあたしの上に、膝とDVDを持った方の肘で体を支える篤がいる。


目の前に広がるあたしよりもがっしりした肩から、慌てて視線を外した。



「うわっ!ごめんっ!」


「とりあえず離れてっ!」



さすがにこれは近すぎるっ…!


びっくりして篤の胸を両手で押し返すのと同時に、ガチャっと部屋のドアが開いた。



「篤ー?」
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