苦く甘い恋をする。
「ん。よし。それだけ元気なら、歩けるな。
さぁ、立て!!」


長谷川くんはイラッとした様子を隠すことなく、私の腕を引っ張り、そして立たせた。


その勢いに足がもつれ、ふにゃっと長谷川くんにもたれかかると……。


「おまえ、けっこう古い手使うな」


長谷川くんは、からかうような声を私に落とした。


「……?」


「おまえ、今。俺を誘惑してるつもりなんだろ?」


「……!?」


「俺、この2週間、けっこう楽しみにしてたんだけどな……」
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