苦く甘い恋をする。
「そんなことないもんっ」


「そんなことないもんって、おまえ……」


私のおでこに手をあて、長谷川くんは面倒くさそうに、ほぅっとため息をつく。


「送ってくけど、立てるか?」


「……立てない」


「んじゃ、仕方ない。おんぶしてやるけど、乗るか?」


「……乗るわけないじゃん。バカ」


「……じゃ、お姫様抱っこしてやるけど、おとなしく抱っこされるか?」


「……されるわけないじゃん。バカ」
< 283 / 388 >

この作品をシェア

pagetop