苦く甘い恋をする。
別に、待たせてないし。


そんなことを考えながら横を向くと、長谷川くんは小さな声で「可愛くねぇ女」と呟きながら、片手をポケットに入れ、何か紙を取り出した。


「ほら、おまえに」


「……え?」


「辞令」


「……辞令?」


……って、何?


私、総務の部長から何も聞いていないけど?
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