苦く甘い恋をする。
みんなが私を中心に考えてくれていると、バカみたいに本気で考えていた。


かごの中の鳥でいることへの不満と、そのクセ求める絶対の庇護。


アンバランスな心の状態で、ある日いきなり放りだされたら……それまで我慢していた反動で遊びすぎるのも当たり前。


何をしても、私は大切にされると勘違いするのも、当たり前。


金曜日、長谷川くんは言っていた。


『俺、お子様とはシない主義なんで』


もしかしたら彼は、私のこんな不安定さと心の内を見抜いていたのかもしれない。
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