苦く甘い恋をする。
体だけいくら成長しても、心と考え方は成長しないただの子供。


そんなアンバランスな私を、長谷川くんは嘲笑したかったのかもしれない。


でも……でも……でも……。


虚勢を張ってなきゃ、やってられない。


だって、私は……寂しさを埋めるためのぬくもりを知ってしまったから。


だから、他人によって作られた虚像を、今さら壊すわけにはいかない。


だって、それは……自分自身の負けを認めることになってしまうから。
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