苦く甘い恋をする。
これだから……、虚勢を張ることを止められない。


男に対しても、もちろん、女に対しても。


それはきっと、ものすごくくだらない、女の意地と女のプライド。


だから私は足に力をグッと込めて、愛海の猫のようにつり上がった大きな目を見返した。


「冗談……っていうか、愛海、今晩合コンセッティングしてよ。
そのために、私、カフェに行かずにここに来たんだから」


「は? 合コン? それも月曜日から?」


愛海は呆れたように私を見返し、首を横に2、3度振った。


「美姫には敵わないなぁ。わかった。
この前の借りもあるから……、今日だけは何とかする」
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