苦く甘い恋をする。
「あなた達はいいわよねぇ。
ただにこにこ笑ってさえいれば、お給料がもらえるんだから」


無言で立ちすくむ私を見て口端を上げ、ふふんと嫌味な笑顔を落とす。


気取ったパンツスーツがまるで似合っていない、パツパツの体型。


厚塗りメイクでも隠せない目の下のクマとシミ、それから、くっきりと刻まれたシワ。


「それにあなた達は、私達みたいに生産性ないし? 利益を全く生まないものねぇ。
本当に必要……あるのかしら?」


明らかにバカにした口調と、あからさまな敵意。
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