苦く甘い恋をする。
先輩の目はごまかせないようで、挨拶をする前に見抜かれてしまった。


さすが……かも。


これがたとえ、一面毛足の長い絨毯に覆われた18階の役員応接の受付だったとしても、先輩の目はごまかせないに違いない。


世間的に見て受付の仕事は、普段はのん気に座っていて、お客様がいらっしゃったときにだけ立って笑顔を振りまく。


そんなイメージを持たれる方が大半かもしれないけど……とんでもない。


求められる気配りも半端ないし、臨機応変な対応は不可欠だし。
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