苦く甘い恋をする。
そんな小さなプライドにすがりつかなきゃいけなくなったら、女もおしまいだっつーの。


つーか……絡んでくるほど悔しかったら、にこにこしてるだけで、稼げるようになってみろ。


アンタに出来るものならね!!


ふんっ!! 鼻息荒く角を曲がる。


そして絨毯の切れ目、ヒールの音がコツコツ響く床になる直前から、ゆったりとした足取りに気をつけ、受付カウンターの中に入った。


それでも……。


「あら? 奥脇さん……。何かあったの?」
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