あなたと、恋がしたい
料理は一流シェフのコースと飲み放題が振舞われ、お腹いっぱいのところ。二次会のみ参加する者もいるので、そのメンツを楽しみにまっている新郎新婦が遠くに見える。

テラスにも何席かあって、果歩と結衣はそこへ移動し、乾杯をした。
新郎新婦のもとに一人の男性が現れた。彼の目を引くルックスに会場が突然わっと歓声に包まれる。

「何、有名人なの、あの人」
「あれ、デザイナーのKOUSEIじゃない。すごい……カッコイイ」

女性たちのとろけてしまいそうな声色につられ、果歩は結衣の方を振り向く。

「すごい歓声。ハマちゃん知ってる?」
「神野昴生(じんの こうせい)でしょ。ていうか、こっち向かってきてるよ」

結衣が説明する。果歩もその名前だけは知っている。ファッションデザイナーとして一躍名の知れた彼が、若くして第一線から退いたというニュースを見たことがあった。

詳しくわからないが……、今もこうしてパッと見ただけで名が知れ渡るぐらいなのだから、活躍しているのだろう。

その彼が、こちらに向かって歩いてくる。背はすらりと高く、八頭身どころか九頭身あるのではないかと思えた。艶のある黒髪に縁取られたその端整な顔はとてもセクシーで、細身のスーツが男らしい体躯をにしっかりと嵌っていて格好良い。彼は主役の二人を差し置いて会場の視線を一人攫っていく。

果歩は彼と目が合いドキッとした。
通りすぎるていくのを見送るつもりが、想定外のことが起こった。

「初めまして」
自信に充ち溢れた端正な顔が、にこりと果歩に向かって微笑んだのだ。





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