Signs Of Love【クリスマス短編】
「そろそろ、作業始めないとな?」
先輩がそう言って、あたしを抱きしめる腕の力を少しだけ緩めた。
ふと、先輩の肩越しにある窓に視線を移すと。
「雪……」
いつの間にか雷も鳴りやんでいて。
雪が降るほど寒くて凍えそうな夜のオフィスで。
ただ一つだけ、安心できる場所。
唯一、あたしを温めてくれる愛しい存在。
それが大好きな先輩だ…って、言うことが嬉しくて。
あたしが感じているこの気持ちが少しでも先輩に伝わったら良いな…と、願って。
「寒いので、もう少しだけこうしていてください…」
思わず零れ落ちた、あたしのその言葉に、先輩はあたしの大好きな笑顔で微笑むと。
「果歩?正月休みはずっと一緒にいような。」
ギュって、もう一度あたしの体を包み込む腕に力を込めた後
今度は約束忘れんなよ――…?
耳元近く甘く囁いて、あたしの唇にキスをした。
そのキスは、ゆらゆらとキャンドルの炎が灯る、ケーキみたい。
忘れたくても、絶対に忘れられない。
イチゴのように甘くて。
極上の生クリームのように、一気に脳内がとろけるキス。