男友達
~ 遠い存在 ~

彼の彼女


 いつもと変わらない日常が続いていたけど

 桜の花が咲く頃、少しずつだけど、確実に、変わっていった。



 週に1回のペースで来ていた卓也が、2週間に1回になり、3週間に1回にな

り。

 ついには、めったに来なくなってしまった。

 間で、ご飯を食べに行ったり、いつものカフェでまったりと過ごす時間は変わ

らないけど、夜中に来なくなったのだ。

 こっちとしては、安眠妨害されずに喜ぶべきことなんだけど、何か物足り

ない。

 だって、週末は必ず、リビングに卓也専用の毛布を置いておくのが習慣にな

っていた。そして帰った後には毛布を干して、片付けるのが定例だった。

 今では、週明けに、たたまれたままの毛布をそのままクローゼットに放り込む

だけになってしまったのだから。



 
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