男友達
 彼女でもできたのかな?

 
 それならそれでいいけど、なんだろう。このぽっかり空いた感じ。


 今までも、卓也に彼女がいたことはあったし、彼女の話もよく聞かせてくれ

て、飲みながらお互いの相手の愚痴がサケノサカナだった。


 でも、今回は何も聞いてない。会っても彼女の話題どころか、最近うちに来な

くなったことすら触れない。


 今度、思い切って聞いてみようか。

 いや、これじゃなんか、私が卓也のこと…好きみたいじゃない。


 違う。そんなんじゃない。


 だから、聞いてみよう。

 
 もんもんとして、寝れやしない。


 卓也が来なくなって、ぐっすり眠れるようになったはずなのに。


 これじゃあ、逆効果だ。




 仕事が終わると、卓也に電話を掛けた。

 
 長いコールのあと、少し眠たそうな卓也の声が聞こえる。

 「ゴメン、寝てた?」

 「う…ん。何時?もう起きるからちょうどよかったよ。」

 「今日暇?ご飯、行こうよ。」

 「いいよー。7時にいつものところでいい?」

 「うん。」


 こんな時間に寝てるなんて珍しい。


 まあ、いい。


 帰っていったん着替えて以行こう。
  
 
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