仕事上手(?)で恋愛下手(!)
っと何とか拒否しながら足を動かしていると、
今度は鎖骨に冷たいものが触れた。
しかも、鎖骨に当たったと同時に
溶け出しているそんな感覚もあった。

私は、ビックリする前に、洋服が汚れたら大変という
気持ちが芽生えて離れなくなってしまった。

(また、ジェラードだったら…
シミになっちゃう。)

もう観念するしかないと思った。
そしてついに私は禁断の一言を口にする。

「先生…。
ぬ、脱ぎます…。」

っと言った次の瞬間に何かのアラームが鳴った。

先生がどうやら律儀にアラームを
セットしていたようだった。

「オレの勝ちだったね、花菜。」

っと先生はアイマスクを外してくれた。
すると、私の鎖骨に当たっていた冷たいものは
ジェラードではなく、氷だったことが分かった。

「いくらオレだって、借りものって
分かってるのに汚さないよ。」

っと私のことを自分の方に引き寄せて
言った。
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