【短編】message
その日はあっという間に閉館のアナウンスが流れ、僕は図書館を後にした。

結局、何の手がかりも得られなかった。

僕はあの路地を避けるように帰路を急いだ。

それにしても、さすがに月曜日から始まる試験期間のための勉強をしなければならない。
少しさぼりすぎたな。

そんな考えとは裏腹に、僕はベットに倒れこんでいた。

夏休みに入ってしばらくはバイトもあるので、帰省するつもりはない。
試験後にゆっくり探せばいいか。

今はテストに集中しよう。

「夏休みの自由研究みたいだな。」

僕はいつものように独り言を呟く。

ベットから降りて机に手を伸ばし、講義の資料と教科書をとるとそのまま読みふけった。

帰り道の途中でコンビニに立ち寄って、ブラックコーヒーを10本買い込んでおいた。
今夜からは眠るつもりはない。

あとは祐介に書いてもらった講義ノートだけが頼りだった。

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