同居人の秘密~瞳の魔法に魅せられて~
「なんだ、来た事ないのか?」


「あるわけないでしょ!」


「怒る事ねえだろ? そう言えば、俺もガキの頃に1回来ただけだなあ」


 ガキの頃に、ってずいぶんマセた子だったのね? ていうか、1回だけ?


「嘘ばっかり!」


「嘘じゃねえよ。女子はみんな好きなんだと思ったけどなあ、こういう所」


 何言ってんだろ、こいつ。女の子がみんなエッチだと思ってるわけ?


「イルカショーとかさあ」


 イルカショー? ホテルで? それとも何かの隠語なのかしら……


「そもそも、俺が『行くか』って聞いたら、おまえ『うん』って言ったじゃん? あれは生返事だったのか?」


 そう言われても全く記憶になかった。きっとボーっとしてて、適当に返事をしたのだと思う。

「そうみたい。ごめんなさい」


「分かったよ。でも困ったなあ。水族館以外で、行くとこあるかなあ……」


 水族館?


< 132 / 200 >

この作品をシェア

pagetop