同居人の秘密~瞳の魔法に魅せられて~
「ちょっと待って!」


 私は、ハンドルを握って今にも車を走らせようとする陸を止めた。


「ん?」


「ここって、水族館なの?」


「当たり前だろ? 正確に言えば駐車場だけど」


「早くそれを言いなさいよ! もう……」


 私はホテルと勘違いした恥ずかしさを、怒ったふりでごまかした。


「何怒ってんだよ? 言わなくても分かるだろ?」


「ブツブツうるさい。ほら、さっさと行くわよ?」


 私は車のドアを乱暴に開け、バチャンとこれまた乱暴に閉め、さっさと歩き出した。


「あっきー、待てって」


「早く来なさいよ。グズなんだから……」


「入口はそっちじゃねえよ」


「へ?」


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