同居人の秘密~瞳の魔法に魅せられて~
 私はそんな陸の顔を見てられなくて、


「おめでとう。でも、私からのプレゼントはないから、ごめんね!」


 そう言い捨てて、陸の部屋を飛び出した。「秋、待てよ!」という、陸の声を振り切って。


 もう陸なんか……大嫌い!

 涙が、次々と溢れては頬を流れていった。



 熱いシャワーを頭から浴び、気を取り直して支度をすると、出勤すべく私は家を出た。

 出掛け際、陸が何か言いたげに私を見ていたけど、私はわざと陸を無視した。そして、


「今夜、外で会おう。会って、話し合おう?」


 と陸は言ったけど、


「今日は忙しいから無理!」


 と、私は陸を拒絶してしまった。


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