同居人の秘密~瞳の魔法に魅せられて~
「それを見てみて。付箋が貼ってあるページ」


「あ、はい」


 その雑誌はマイナーな女性週刊誌で、私はそれを手に取ると、黄色い付箋が貼ってあるページをめくった。


『忍び寄る甘い罠』?


「連載小説ですね。作者は、『秋野紅葉』? 安易なペンネームですね?」


「そうね。あなた、これ知らないわよね?」


「はい、すみません」


「いいのよ、マイナーな雑誌だし、作者はまだ新人だしね」


「はあ」


「それ、かなり読者の反響がいいらしいのよ。もうすぐ完結するんだけど、うちで本にする事になったの」


< 29 / 200 >

この作品をシェア

pagetop