ブラウン管の中の彼女
「ハイハイ」
ママがパンパンッと2回大きく手を鳴らした。
「顔合わせも済んだところだし、そろそろ撮影に入りましょうか」
ママは一気に仕事の顔になった。
「祐くんはこれから“ICHI”として現場に入ってもらいます」
「「“ICHI”…?」」
実早と祐ちゃんはほぼ同時に聞き返した。
「“YUU”じゃなんかつまんないから“ICHI”にしてみたの♪」
なんだそれ?
そんなところに遊び心を出さないでよ!!
一通りの撮影手順を説明し終えるとママは祐ちゃんに微笑みかけた。
「祐くんは素人だし、まあ…実早に合わせて動いてもらえばそれでいいから」
がんばってねっと肩を叩いて励ます。