ブラウン管の中の彼女


「実早ちゃん…すぐ抱きつこうとする癖は直してって言わなかったっけ…?」


危ない危ない…。


今日はうまくかわせた。


「だって~♪祐ちゃんへの愛が溢れ出しちゃってるんだもん♪」


てや――!!と実早ちゃんは僕の腕に抱きついた。


「うわっ!!」


隙をつかれた僕の腕に実早ちゃんの体重がもろにかかる。


実早ちゃんは――…。


ちょっとおかしい…。


この頃、僕を見るとすぐに抱きついてくる…。


どこで何をしてようが本人は構っちゃいない。


さすがにこの歳でその行為は少々恥ずかしい。


っという訳で僕は実早ちゃんの抱きつきから逃れるために日々精進しております。



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