誘惑Baby
「………陽平はずるい」
突然口を開いたかと思えばずるい呼ばわり。
「え、えー…??」
「陽平は、…かっこいいんだよ…?なのに、気づいてないから…不安で…。ファンクラブもあるんだから…」
何を言い出すかと思えば…。
俺はパチパチとまばたきをすることしか出来ない。
「陽平は、隙がありすぎ…だよ…」
不覚にもむっとしてしまう。
俺は、優子しか見てないのに。
「優子、…ちょっとおいで」
強く優子の瞳を見つめながら。
腕にすっぽりと収まる優子は、体を強ばらせていた。
「あのね、優子。さっき言っただろ?俺は、優子が好きなの…。他の誰が俺を好きでも、俺は優子じゃなきゃいやだ。それだけじゃ、だめなの?」
ぎゅっと思いが伝わるように、抱きしめる。
「優子が望まなきゃ、無理矢理抱いたりしない。」
「……」
返事をしないのが、柄にもなく不安で。
それを隠すように、言葉を続ける。