春待つ花のように
ローラは役人の男と目が合うと、泣きそうな顔をしてイブの後ろに隠れた。

「ちょっと帰んな! そういう気なら、あんたらの話を聞く気にもなれないね」

 イブは座っている男にコップ一杯の水を引っ掛けると睨み付けた。

 こんな下劣な考えしかないような男から、ノアルのしたことを聞こうなんて思わない。何も言わずに帰ってもらいたかった。

「気の強い女は趣味じゃ、ねえんだよ!」

 座っていた男は立ち上がると、思い切りイブの顔を殴った。

 彼女は後ろの酒が仕舞ってある棚に背中をぶつけると床にごろり横になった。

 その上から、ぶつかった拍子にバランスを崩した酒のビンが何本も落ちていく。

「い、イブ!!」

 ローラが彼女に近づこうとすると、男たちが手を掴んでカウンターから無理やり引きずりだした。

「い、嫌!」

 2人の男は気持ち悪い声で笑い、自分を見ている。

「嫌だ…」

 掴まれている手を必死に動かすローラ。力で勝てないことをわかっている。

 でも少しでも抵抗しないと男たちは自分を犯すだろう。
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