春待つ花のように
「知りたくないのかよ。ノアルが何をしたか…」

「知りたくない!」

「おや? 顔には知りたいって書いてあるぜ」

「触らないで」

 男の一人がローラの胸を鷲摑みする。男が触った場所から、電流が走る。

 気持ち悪くて、吐いてしまいそうだ。

「その手を離してもらいましょうか」

 その声と同時に男たちの手が止まる。

 ローラはゆっくりと目を開けると、男たちの顔の間に細く鋭い剣があった。右に動かしても、左に動かしても二人の男のどちらかに剣は触れる。

「冗談だよ、なぁ。本気でこの女をヤろうなんて思ってないからさ」

 2人の男はローラの体から手を離すと、逃げるように外に飛び出していった。

 ローラはすっかり露わになっている胸や太ももを隠すと、剣を持っている男を見た。

「カインさん」

 カインは照れくさそうに微笑むと、剣を腰に仕舞った。













「イブさんは大丈夫です。頬を殴られた以外は大きな外傷はありませんでした。今は気を失っているのでソファに寝かせてきました」

 三階のノアルの部屋に入ってきながら、カインは言う。
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