春待つ花のように
「ローラ、どういうこと?」

 イブは空いてる二つのコップにぶどう酒を入れると、カウンターに置く。そして、キッチンから出てくると、ローラと隣あって椅子に座った。

「ローラはノアルがどうして役人に追われてるのか知っているの?」

「ごめん、イブ。隠していたわけじゃないの。でも、話しにくくて…」

「言い訳は後で聞くわ。質問に答えて」

 ローラはイブのいれてくれたぶどう酒のコップを両手で触る。

「ノアルは国王の息子、レイの婚約者と恋仲にあって、それがレイに知られて追われているの」

 イブは口を開けたまま、眉毛に力がゆっくり入っていく。

「は? だって、ノアルはローラと…」

 理解が出来ない、そう言わんばかりにイブは落ち着き無く指を動かして、首をかしげた。

「体の関係はあったよ…でも、心は私にはなかったみたいだね。本人から聞いたわけじゃないし、私も詳しくはわからないの。ノアルがレイの婚約者とどんな関係だったかまでは…ノアルってほら、自分のことをあまり話したがらないじゃない? だから、なんていうか…」

 ローラは早口で告げる。
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