春待つ花のように
「でも、ローラと話がしたいんだ」

 ノアルの言葉にカインが驚いて、彼の顔を見た。彼女と話したい。

 カインは先日、ノアルの話をして一人外で泣いていた彼女のことを思い出した。

 ノアルが話したくても、ローラは平気なのだろうか。カインは少し不安に思った。

「カイン、ローラをここに連れてきてくれないか? きちんと自分から彼女に話をしなくてはいけないと思っているんだ」

 ノアルの瞳から強い意志を感じる。カインは『はい』と小さく返事をすると、下唇を噛んだ。

 これはノアルとローラの2人の問題。自分が口を出すことではない。ノアルが話したいというなら、そのセッティングをするのは自分の役目。

 マリナと別れる結果になったノアル。恋愛感情はなくとも2人は体の関係はある。

 もしかしたら、ローラと関係が戻ることがあるかもしれない。彼女にとったら、それは良い結果になるのだろうか。

 そしたら自分は素直に喜べるのだろうか。
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