春待つ花のように
「外は無理よ。これ以上、汚れたら言い訳が思いつかないもの」

「食堂に入る?」

「仕事はどうするのよ」

「レイが起きる前にしないと…」

「じゃ、ノアルに抱かれるのは次回にとっておくわね」

 ノアルは軽く微笑むと、マリナをまた抱き上げて窓から食堂に戻した。

 自分の体から離れていく彼女が愛おしい。最後、繋いでいた手が離れようとしたとき、ノアルは強く彼女の手を握り締めた。

「ノアル?」

 マリナは不思議そうに振り返る。

「明日はお茶に呼んでくれる?」

「もちろんよ。とっておきのお茶を用意しておくわ」














「ねえノアル、どうやってゼクスを味方につけたの?」

 ベッドの布団の中でマリナは質問をする。ノアルはうつ伏せで枕を顔につけるとマリナのことを見る。
< 53 / 266 >

この作品をシェア

pagetop