春待つ花のように
 マリナと気持ちを確かめ合ってから、心がすっきりした。今まで悩んでいたのが嘘のようだ。

 ローラとはズルズルと関係を続けているが、いつかははっきりと答えを出さなくてはいけないと思っている。

 マリナはノアルに他の女性がいることを知らない。ローラもまた、彼に他の女性と関係をもっていることは知らないのだ。

 はっきりと言い出せない自分は情けないと思っている。でも今後の生活を考えると、ローラとの関係を打ち切れなくなってしまうのだった。

「ノアル、夜は来れないの?」

 マリナが寂しそうな声で言う。

「ごめん」

 夜は店の手伝いをしてから、ローラと朝まで過ごしている。マリナと一緒に居たいが、そういうわけにはいかない。

「そう。ノアルは忙しい人だもんね。仕方ない」

 マリナは笑顔で言うと、ベッドから出る。脱ぎ散らかしたドレスや下着を手に取るとベッドの上に置いて、着替え始めた。
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