春待つ花のように
「今日、昔の仲間にあった。そこで母の死を知った。俺、そいつらに会ってこようと思う」

 ノアルの言葉にローラは驚いた顔をした。『昔の仲間』に会いに行く。そしたら、彼はここに戻ってきてくれるのだろうか。不安になった。

「あいつらが心配なんだ。きっとあいつらはチャンスを狙っているはず…」

 ノアルの瞳はどんどん鋭くなっていく。ローラが見たこともない怖い顔を彼はしていた。

「ノアル?」

 彼女の問いかけに、ノアルの表情はいつものに戻った。しかし、あの顔をローラがすぐに忘れられそうになかった。

「ここに帰ってきてくれる?」

「もちろん。俺の家はここだ」

「良かった」

 ローラは安心した顔をすると布団にもぐった。ノアルもベッドに横になると、ローラの体に身を寄せて瞳を閉じた。














「ここか…」

 ノアルは薬屋の建物を見つめると、そう呟いた。カインからもらったメモにはここの住所が書いてあった。随分と街中にその建物はあった。
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