春待つ花のように
「ノアル様…しっかりなられて…」

 ゼクスと同じ反応だ。これでは話が進まない。そう思ったノアル。

誰か話がスムーズに進められる人はいないのだろうか。

「ちょっとあんた達、何してるのよ!」

 店のドアが開くと、大きな紙袋を抱えている女性が迷惑そうに口を開いた。

それもそのはず、店内とはいえ、ドアの近くで男が2人、床にしゃがみ込んで話しているのだ。何も知らずにドアを開けたら、異様な光景に見るだろう。

 ノアルは立ち上がると、女性の方に振り返った。

「アンジェラか。久しぶりだな!」

 ノアルは笑顔で彼女のことを見る。アンジェラは紙袋を落とすと、ノアルの両肩を触った。

「ノアル様、大きくなられました。すっかり大人の顔つきなって…」

 アンジェラは嬉しそうに言うと、ノアルの髪をクシャクシャにした。

 いつも姉のような存在だった彼女。接し方は今も変わらないようだ。
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