春待つ花のように
「カインは?」

「仕事に行ってるわ。彼もそうだけど、ディーノとティムは日雇いの仕事をしてて、シェリルは娼婦。ゼクスは知っていると思うけど、レイの別荘で住み込みの仕事をしているの」

「そうか。みんな、ちゃんと生活してるんだな」

 ノアルは安心した表情をする。

 ただ復讐をする機会だけを狙って過ごしているようなら、どうしたものかと思っていたが、それぞれにお金を稼いで生活をしている。それはとてもいいことだ。

 そのまま、生活をしていて欲しいものだけど、ゼクスがレイの別荘にいるということは、復讐は完全には諦めていないのだろう。

 カインたちだって、日雇いの仕事だ。宮殿での仕事を選んで、情報を収集することだって出来る。

 彼らが今度どうしていくつもりなのか、ここでしっかりと話しておくべきなのかもしれない。

 10年前は復讐に燃えている彼らを自分の力だけでは止められずに、手紙だけのこし逃げるように姿を消してしまった。

 今はもうあの頃にように何も出来ない8歳の子供ではない。
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