昇格試験
廊下を進み、階段を昇り。

小岩井さんは鉄扉を開ける。

彼の辿り着いた先、そこは学園の屋上。

夜気と冬の研ぎ澄まされた空気によって、凍てつくような寒さが場を支配する。

そんな屋上に、一人の少女が立っていた。

リードグレイの髪を持つ、長身色白のミステリアスクールビューティー。

…彼女は手にした懐中時計の蓋をパチンと閉じる。

「お待ちしていました、小岩井さん」

無表情のまま向き直るのは、『白兎の君』と渾名される天神学園3年生の女子生徒だった。

その裏の顔は死神。

死に行く生者の魂を刈り取る事を職務とする死刑執行人だ。

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