先輩の妹


――……


教室に入ると小松はもう席に戻っていた。

加賀はそんな小松に絡みにいく。

小松も見られていたなど知らないようですごくびっくりした顔をした。

「(…そっとしといてやれよ…。)」

そう思いながら俺も席に着く。


「あ、たか。おはようー」

「はよ」

「今日遅かったね、なんかあったの?」

前の席の森谷藍に挨拶を返す。

藍とは中学から一緒で高校に入ってからもよく話す。

「…あー、なんか覗いてたな」

「は?なにそれ」

そう聞き返しながら藍は軽く笑った。



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