先輩の妹
―…
外周は学校の敷地の外を回る。
春の桜がまだ咲いていたりもして、俺はこの時間が好きだ。
ひっそりとした放課後の学校の周りに陸上部員の走る音が響いていた。
「なーたか、俺と椎って似てるか?」
一緒に走っているといきなり南都先輩が聞いてきた。
ぼうっとしながら走っていた俺は答えるのが少し遅れた。
「…?……顔はどっちも整ってますけど…性格は似てませんかね」
それを聞くと南都先輩は爽やかに「ははっ」と笑った。
「椎の顔はお父さん譲りなんだろうな。
実はさ、俺ら血繋がってないんだよ」
「え?!そうなんですか?」
「うん。再婚でさ、親。」
南都先輩は淡々と話す。