落ちこぼれの恋愛事情。
『でもさ、
彩夏ちゃんだって幼なじみがアイドルになったら嬉しいだろ』
ニヤッと千李は笑った。
『…別に?』
素っ気なく返した台詞は、
本音だった。
別に私にはなんにもメリット無いじゃない。
『え、
えー…
つれないなぁ彩夏ちゃんは』
千李は地面に飛び降りた。
『幼なじみはアイドルです。
カッコイイと思うぜー?』
『そうかなぁ』
私は桜の木を仰ぐ。
蒼い空に、桃色の色彩。
『オレ、彩夏ちゃんのためにアイドルになろ』
は?
と私は固まる。