落ちこぼれの恋愛事情。

『でもさ、
彩夏ちゃんだって幼なじみがアイドルになったら嬉しいだろ』


ニヤッと千李は笑った。


『…別に?』


素っ気なく返した台詞は、
本音だった。

別に私にはなんにもメリット無いじゃない。


『え、
えー…
つれないなぁ彩夏ちゃんは』


千李は地面に飛び降りた。


『幼なじみはアイドルです。
カッコイイと思うぜー?』


『そうかなぁ』


私は桜の木を仰ぐ。


蒼い空に、桃色の色彩。


『オレ、彩夏ちゃんのためにアイドルになろ』


は?
と私は固まる。

< 30 / 46 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop