落ちこぼれの恋愛事情。
「その、私、…聞いてしまったのですが」
「何をですか?」
冷静に聞き返しながらも、
僕の体は再び冷や汗を浮かべ始めていた。
「真城様って…昔はっ」
「その話は止めなさい!」
まだ寝る時の浴衣のままで、僕は襖を勢いよく開いた。
「っ!!」
怯えた顔の裕璃が、そこにいた。
「…あ、あ……」
僕は彼女に冷たく一瞥をくれた。
「も、申し訳ありませんでしたっ!!」
裕璃は一目散に階下へ降りていった。
「…裕璃と、彼女に余計な話を吹き込んだ方は解雇しなければ…」
僕は呟いた。