落ちこぼれの恋愛事情。
「さて…
彩夏さん、良ければ僕が教えますよ?
こんなケダモノに教えられたくはないでしょう?」
桑原がサクリと高木の精神を攻撃する。
「っか、
マキマキさっき菱垣カチョーにお仕事頼まれてたっしょ?」
チャラい声が横から割って入った。
「和泉…
貴様こそやることがあるんじゃな」
「終わってるんだなァ、コレが。
ハルシちゃんそんなキリキリしてるとコメカミの血管がぷっちんだよ」
如何にも軽そうな男が紙束をちらつかせながら乱入してきた。
これまた同期の、軽いが仕事は良く出来る和泉夕汰である。
「おやおや、あの仕事をこなすとは…
やはり素晴らしいですね和泉さん。
しかしながら、僕も自分の仕事は完遂しているんです」
目を細めて桑原は言った。
「…上条、」
「何?」
一気に騒がしくなった周囲に辟易しているような高木の声。
「二人のどっちかに教えてもらえ
俺は自分の仕事をやる」
「えっ、」
「じゃぁな」
「高木、ねぇっ」
高木は課長から命じられた「仕事」を放棄して、
自分のデスクに戻った。