落ちこぼれの恋愛事情。

「ありゃ
ハルシちゃん行っちゃったー」


…全力で和泉のせいだ。


「んー、じゃあ夕汰センセイが手取り足取りこ」

「和泉。
何を騒いでいるんだ?」

「菱垣カチョーっ!!」


低音が響く。


和泉が姿勢を正し、手に持った紙束を差し出す。


「収支報告書、完成しました☆」


突如現れた菱垣課長は、それを黙って受け取り、
ぱらぱらとめくった。


「良く出来ている。
後でゆっくり見よう」


満足そうに言う。


「あ、ありがとうございますっ!!」


和泉の目が輝いた。


…そして、
課長は私を見た。


「高木に教わったか?」


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