揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「彼氏と、何かあった?」


図星を指され、思わず顔を上げてしまった。


20センチぐらい上にある先輩の目は、優しく私を見下ろしていて。

その表情に、なんだか胸がドキッとしてしまう。


「彼は…違う人が好きだったの」


温かい手のぬくもりと、優しい眼差し。

今の私には、それがどれだけ嬉しいことか。


「浮気してたの?」


先輩の顔が、少し歪んだ。

ムッとしてるような、そんな表情。


「……そう」


本当は、≪浮気≫と言っていいのかどうか分からない。

だって、私は彼の本命じゃないんだから。


だけど、私の他に愛する人がいたのなら……。

やっぱりそれは、≪浮気≫なんだろう。


「それで、彼氏は何て?」


「まだ、話してなくて。彼女から聞いたから……」


その彼女、本当は…彼の母親なの。


さすがに、その言葉は言えなかった。
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