揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「その≪ひろと君≫は、浮気してたんだろ?それでも、ソイツがいいの?」


先輩のその口調は、あくまでも優しくて。

それが余計に、申し訳なさを感じさせる。


「確かに、彼には他に好きな人がいるし。その人の事も、こうして抱いたりしてるみたい」


薄暗い部屋の天井に目を向けながら、私はゆっくりと話し始めた。


脳裏に浮かんでくるのは、あのビデオの映像。

親子で愛し合う、あの2人の情事の様子。


「私は…彼にとっては形だけの彼女だから。私の事なんて、きっと好きじゃないんだと思う」


認めたくない事実。

こうして頭では分かっていても、心はまだ完全には認めていない。


そんな私の言葉を、先輩は黙って聞いてくれていた。


「だけどね、先輩のおかげで分かったの」


仰向けになっていた身体を、私は先輩の方に向けて。

裸で向き合ってるんだって事を忘れてしまうぐらい、私はこの想いを伝える事に一生懸命だった。


「私が好きなのは、やっぱり大翔君しかいないって」


「……そんなの、想ってても辛いだけだろ?」


少し目を細めた先輩は、私なんかよりずっと悲しそうな顔をしている。


こんな私の事を…心配してくれてるんだろうか。
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