揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「ホントにさぁ、由佳の事好きじゃないのかなぁ?」
私の携帯を手にしながら、沙希がそう呟いた。
画面に視線を向けたまま、何だか難しい顔をしている。
「だって…彼の本命はお母さんな訳だし。私は、前の彼女と一緒でカムフラージュなんだから……」
「偽物の彼女の為に、わざわざ俺を殴りには来ないよな?」
私が言い終わるか終わらないかに、今度は諒斗がそう口を挟んできた。
肘をついたまま、空になったカップを手でブラブラさせている。
「に、偽物でもさっ、取られたら嫌だったんじゃないの?」
私が襲われた事を知った大翔君は、わざわざ諒斗に会いに行ってくれたらしい。
私の代わりに、諒斗の頬をグーで殴ったと聞いた。
「母親との関係は置いといたとして、お前を好きなのは…ホントなんじゃねぇの?」
「……」
大翔君が、私をホントに好き……?
にわかには信じ難かった。
そりゃ、そうであってくれたらどんなに嬉しいか分からないけど。
だけど、期待を持つのが怖いんだ。
一度突き落とされた心は、そう簡単には…彼を信じる事ができない。
好きって気持ちは無くならなくても、愛されてる自信はすっかり失ってしまっているから。
私の携帯を手にしながら、沙希がそう呟いた。
画面に視線を向けたまま、何だか難しい顔をしている。
「だって…彼の本命はお母さんな訳だし。私は、前の彼女と一緒でカムフラージュなんだから……」
「偽物の彼女の為に、わざわざ俺を殴りには来ないよな?」
私が言い終わるか終わらないかに、今度は諒斗がそう口を挟んできた。
肘をついたまま、空になったカップを手でブラブラさせている。
「に、偽物でもさっ、取られたら嫌だったんじゃないの?」
私が襲われた事を知った大翔君は、わざわざ諒斗に会いに行ってくれたらしい。
私の代わりに、諒斗の頬をグーで殴ったと聞いた。
「母親との関係は置いといたとして、お前を好きなのは…ホントなんじゃねぇの?」
「……」
大翔君が、私をホントに好き……?
にわかには信じ難かった。
そりゃ、そうであってくれたらどんなに嬉しいか分からないけど。
だけど、期待を持つのが怖いんだ。
一度突き落とされた心は、そう簡単には…彼を信じる事ができない。
好きって気持ちは無くならなくても、愛されてる自信はすっかり失ってしまっているから。