冬うらら 1.5
◎
この場合のおみやげとは、『みやげ話』の方だった。
どんなものよりも、それをソウマが喜ぶのは知っていたのだ。
カイトと彼女がうまくいくことを、彼らは誰よりも心配していたのである。
だから、その後の幸せな話を、聞く権利はあったし―― 何より、聞きたかった。
あのカイトが。
メイが絡むと、カイトのことを言う時に必ずそんな単語が頭につく。
あのカイトが、信じられないことを数々やらかすのである。いつまでも、彼女のネタであればからかうことが出来るのだ。
それはもう、楽しくて嬉しいのだが、何より信じられない出来事でもあった。
こんな日が訪れるなんて。
好きな女一人で、ここまで彼が変わったのだ。すごい影響力である。
しかし、本人はまったくそんな自覚もなさそうな笑顔で、おいしそうにケーキを食べている。
過去のカイトを知らないのだから、本当に自覚していないのかもしれなかった。
「それで…カイト君の様子はどう?」
しかし、メイしか知らない彼の顔もたくさんあるはずだった。
きっとソウマ夫婦の前よりも、かなりのウカツと持て余す気持ちを山積みにしているに違いない。
それのお裾分けをもらおうと思ったのだ。
その問いに、彼女はフォークを持ったまま困った顔になった。
どうやら、質問が広すぎたようである。
ハルコの方としても、『元気ですよ』などという返事が聞きたいワケではないのだ。
「結婚してから、何か変わったかしら?」
これなら、理解出来るだろう。
こんなにも、カイトは彼女を輝かせてしまったのだ。
2日の間に、一体どういう風な気持ちと態度をぶつけたら、こうなってしまうのか―― 興味は尽きなかった。
この場合のおみやげとは、『みやげ話』の方だった。
どんなものよりも、それをソウマが喜ぶのは知っていたのだ。
カイトと彼女がうまくいくことを、彼らは誰よりも心配していたのである。
だから、その後の幸せな話を、聞く権利はあったし―― 何より、聞きたかった。
あのカイトが。
メイが絡むと、カイトのことを言う時に必ずそんな単語が頭につく。
あのカイトが、信じられないことを数々やらかすのである。いつまでも、彼女のネタであればからかうことが出来るのだ。
それはもう、楽しくて嬉しいのだが、何より信じられない出来事でもあった。
こんな日が訪れるなんて。
好きな女一人で、ここまで彼が変わったのだ。すごい影響力である。
しかし、本人はまったくそんな自覚もなさそうな笑顔で、おいしそうにケーキを食べている。
過去のカイトを知らないのだから、本当に自覚していないのかもしれなかった。
「それで…カイト君の様子はどう?」
しかし、メイしか知らない彼の顔もたくさんあるはずだった。
きっとソウマ夫婦の前よりも、かなりのウカツと持て余す気持ちを山積みにしているに違いない。
それのお裾分けをもらおうと思ったのだ。
その問いに、彼女はフォークを持ったまま困った顔になった。
どうやら、質問が広すぎたようである。
ハルコの方としても、『元気ですよ』などという返事が聞きたいワケではないのだ。
「結婚してから、何か変わったかしら?」
これなら、理解出来るだろう。
こんなにも、カイトは彼女を輝かせてしまったのだ。
2日の間に、一体どういう風な気持ちと態度をぶつけたら、こうなってしまうのか―― 興味は尽きなかった。