愛かわらずな毎日が。
脱いだ上着を椅子にかけ、机の上に積まれたファイルや伝票を確認していた福元さんが、ようやく視線を私に向けてくれた。
「立ってないで、座っ…………、」
最後まで言わず、ぱちりと瞬きをした福元さんの表情が「困惑」へとかたちを変えていく。
「………愛?」
「ぁ、………」
のどの奥はヒリヒリと熱いまま。
『福元さんが話してくれるまで待とうとか、そんな甘い考えはやめてね』
香織の言葉が背中をつつくから、床に貼りついていた足をペリペリと剥がすように福元さんのもとへと向かった。
ドクン、ドクンと動きを速める心臓とは逆に、のろのろと。
「…………あ、の」
ゴクリとのどを鳴らし、言葉の通り道をつくる。
「お見合いするんですか?」
それだけでいい。
それだけで。
「………あの、」
「あぁ、そうだ」
「…………え?」
福元さんが私の言葉を遮るから、吐き出そうとしていたそれは、私の中に留まったまま行き場をなくしてしまった。
鉛のようにズシリと重くなってしまう前に。
取り出しにくくなる前に、吐き出してしまいたいのに。
「これ、」
福元さんが机の上の白い箱に手を伸ばすから。
だから。