愛かわらずな毎日が。

「スーッ……、ハァーッ」

深呼吸を繰り返し、ドキドキと動きを速める心臓に酸素を送り込む。


携帯番号を教えられたのは、二週間も前のことだ。

彼が、今もなお私からの電話を待っているとは思えなかったけれど。

それでも。

手帳に書き写した番号を、ひとつひとつ、確実に押していった。


『……もしもし?』

長いことコール音を聞かされたあと、少し警戒したような彼の声が耳元で響く。


ドクン、と跳びはねる心臓。

その拍子に、いくつか用意しておいたはずの言葉がぜんぶ飛んでいってしまった。


「あ、……あの、」


『………はい』


「あ、……私、」


『…………』


「手に、………番号を、」


『………あぁっ!あのときのおねーさん?
そうだ。ねっ?そうでしょ?』


「………う、ん」


なんだか恥ずかしい。

よかったらかけてね、と言われたから掛けたのだけど。

本気にしたんだ、なんて思われたんじゃないかと思って。


こういうの、ほんとに慣れてなくて。


どうしたらいいのか、困ってしまう。

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