愛かわらずな毎日が。

「少しは落ち着いた?」

私が泣き止むまでずっと、頭を撫でたり、背中を撫でたりしてくれた福元さん。

「………はい。……すみません。
仕事、まだ残って……。やらなくちゃいけないことが、たくさんあるのに……」

近くの机の上に置いてあったボックスティッシュからティッシュを一枚抜き取った私。

半分くらいあったであろうティッシュの枚数は、残り僅かになってしまった。


忙しいのに、時間取らせちゃって。

迷惑かけちゃって、ほんと、最低だ。

ぐちゃぐちゃの顔、見せちゃうし。

誰のかわからないけど。……ティッシュ、買って返さなきゃ。


そんなことを考えながらグジュグジュと鼻を鳴らした私の頭を、福元さんがポンポンと、優しく撫でるように叩いた。


「なるべく早く終わらせるから、待ってて。
送ってく」

「………はい。……すみません」

それしか言えなかったけど。


もう、いくらでも待ちます。待たせていただきます。いいえ、待たせてください。


そんな気持ちで頭を下げた。


フッと口元を緩ませた福元さんは、

「さてと、」

と、椅子に腰掛けると、机の上のメモを一枚手に取った。


…………あ。

私、大事なこと、


「おっ…、思い出した!思い出しましたっ」


「え?」


「話したいことっ…!訊かなくちゃ、いけないこと!」

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