愛かわらずな毎日が。

閉じ込めていた言葉をひとつ放ったら、胸がきゅうっと音を立てた。


顔が、目の奥が、のどが。

体じゅうが熱くなった。


自分の中に存在する感情を、ひとつ残らず口にしたくなった。


「足りない……?」

福元さんがそう訊くから、私は小さく頷いた。


「足り、ない……です」


もっと。

もっと、って。

そう願ってしまう。


でも。

私は、恋愛経験が少なくて。

恋愛偏差値も、きっと低くて。


だから。

思っていることをすべて伝えることが正しいことなのか、わからなかったし。


福元さんが、私の言葉ひとつひとつにどんな反応を示すのか、正直、怖かった。


それでも。


もう、我慢しない。我慢したくない。


その気持ちのほうが、大きくて。



「さみしかった」


「触れたかった」


「触れて、ほしかった」


「ぎゅって、……して」


「好き」


「……大好き」



福元さんの腕の中で、次々に生まれる熱を吐き出した。


恋愛に不慣れなところも。不器用なところも。

わがままな部分も、弱い部分も。


そういう、私のダメなところをぜんぶ。


福元さんなら、受け止めてくれる。

そんな気がしたから。

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